体温の正確な測り方を徹底解説！

2025年6月6日

体温を測ることは、私たちの健康を守る基本中の基本です。風邪のひき始めを感じたとき、インフルエンザの予防として、または新型コロナウイルスのような感染症が疑われる時には、まず体温を確認します。しかし、意外と知られていないのが「正しい体温の測り方」です。この記事では、体温を測る前に知っておくべき基本知識から、具体的な測定方法、よくある間違いの訂正方法まで、詳しく解説していきます。

体温を測る前に知っておくべき基本知識

体温計の種類と特徴

体温計には大きく分けて、デジタル体温計と水銀体温計があります。デジタル体温計は読み取りやすさと速さが特長で、数十秒で測定結果を表示してくれます。一方、水銀体温計は少し時間がかかりますが、その精度は非常に高いとされています。また、最近では耳や額で測定するタイプの体温計も増えており、これらは接触せずに測定できるため衛生的です。

選ぶ際には、使用するシーンを考えることが重要です。日常的に使うならばデジタル体温計の方が扱いやすいでしょう。一方で、より正確なデータが必要な場合や医療の現場では、水銀体温計を選ぶこともあります。

測定前の注意点

体温を正確に測るためには、測定前にいくつかの注意点があります。まず、体温計を使う前には必ず清潔にしておくことが大切です。特に口や耳など直接体の内部に触れる部分は、感染症のリスクも考えて、使用ごとにアルコール消毒を行いましょう。

また、食事や運動後すぐに体温を測ると、正確な値が出ないことがあります。食事や激しい運動は体温を一時的に上昇させるため、測定する場合はその活動から少なくとも30分は間を空けることが推奨されます。さらに、環境温度も影響するため、寒い場所や暑い場所での測定は避け、室温が一定の部屋で行うことが理想的です。

これらの基本的な知識と注意点を押さえるだけでも、より正確な体温の測定が可能になります。次章では、具体的な各部位ごとの測り方について詳しく説明していきます。

体温の正確な測り方

口腔（口の中）での測り方

口腔での体温測定は、日常的によく行われる方法です。正確な測定を行うためには、体温計を舌の下に置き、口を閉じて静かに待つことが重要です。舌の下は血流が豊富で、体温を正確に反映しやすい場所です。測定する前には、少なくとも15分間は飲食や喫煙を避けることが推奨されます。これは、これらの行為が口内の温度に影響を与え、誤った読み取りにつながる可能性があるからです。また、話したり、息を大きく吸ったりすると、外気が口内に入るため、これもまた測定値に影響します。正確な測定のためには、体温計を舌の下にしっかりと固定し、リラックスして静かに待つことがコツです。

腋下（わきの下）での測り方

腋下での体温測定は、特に小さな子供や体温計を口に含むことが難しい場合に適しています。この方法で正確な測定を行うためには、腋下をきれいに拭いて乾燥させた後、体温計の先端をしっかりと腋窩（わきのくぼみ）に挟み込む必要があります。腕を体に密着させて体温計が動かないようにし、1〜3分間その状態を保持することが求められます。腋下の毛が多い場合や汗をかいている場合は、正確な読み取りが難しいため注意が必要です。測定後は、他の方法と比較して0.5℃ほど低く表示されることが一般的ですので、その点も考慮に入れてください。

直腸での測り方

直腸での体温測定は、特に乳幼児や重症の患者さんに対して最も正確な方法とされています。この方法では、体温計を直腸に約2.5センチメートル挿入し、1〜2分間待つことで体温を測定します。直腸測定は他の方法よりも一般的に0.5℃高く表示されることがあります。重要なのは、体温計を挿入する前に十分な潤滑剤を使用し、患者さんがリラックスしている状態で行うことです。不快感や痛みを避けるためにも、ゆっくりと慎重に挿入することが大切です。

耳や額での測り方

耳や額での体温測定は、非接触型体温計を使用するため非常に衛生的で迅速です。耳での測定では、体温計のプローブを耳道に優しく差し込み、数秒間で測定が完了します。一方、額での測定はセンサーを額に近づけるだけで良く、物理的な接触を伴わないため、特に公共の場でのスクリーニングに適しています。ただし、これらの方法は外部環境に左右されやすいため、正確な値を得るには室内環境を一定に保つことが重要です。耳が汚れている場合や額が汗ばんでいる場合は、誤った読み取りの原因となるため、使用前に清潔な状態を確認してください。

これら各方法における注意点やコツを把握し、状況や条件に応じて最適な方法を選択することで、より信頼性の高い体温データを得ることが可能です。何よりも大切なのは、「正確なデータが健康管理を左右する」という認識を持つことです。

体温測定のよくある間違いとその訂正

間違った体温計の使い方

家庭での体温測定が一般的になっていますが、正しい使用方法を見落としてしまいがちです。たとえば、デジタル体温計の電源ボタンを押した後すぐに測定を始めてしまう人が多いですが、これでは正確な体温を得ることができません。体温計が自己診断を終えてから使用する必要があります。また、水銀体温計の場合は、振って水銀柱を下げる際に過度に力を入れすぎると、内部が破損する可能性があります。

正しい使い方を心がけるためには、まずは製品の説明書を読み、指示に従って操作することが基本です。特に新しいタイプの体温計を使用する際は、その特性を理解し、正確な位置で測定することが重要です。例えば、耳温計では耳の形状によっては正しく挿入できていないことがありますので、耳道にしっかりとフィットさせる方法を習得する必要があります。

測定結果の誤読み

体温計の読み取り方にも注意が必要です。デジタル体温計では、液晶画面の数字が安定するまで少し待つことが必要です。安定前に読み取ってしまうと、誤った体温が記録されることになります。また、水銀体温計の場合は、水銀柱の頂点を正確に見ることで、正確な読み取りが可能です。位置が低すぎたり、角度が悪かったりすると、実際よりも低く読み取ってしまうことがあります。

このような誤読みを避けるためには、常に体温計の表示を水平な目線で確認することが推奨されます。また、読み取り後はすぐにメモを取るなどして、記録の正確性を保つ工夫も大切です。もし不安な場合は、数分後に再測定してみることも一つの方法です。

これらのポイントを意識することで、「ただ測る」から「正確に測る」へと変わります。体温測定は健康管理の第一歩ですから、正しい方法で行うことで、より信頼性の高い健康管理が可能になります。毎日のちょっとした注意が、大きな健康への第一歩となるのです。

体温測定後の注意点と体温データの活用方法

測定データの記録と分析

体温測定を日常的に行う場合、単に数値を確認するだけでなく、そのデータを記録し分析することが非常に重要です。例えば、毎日の体温をノートに記録するだけでも、体調の変化を早期に捉える手助けとなります。また、スマートフォンを使ったアプリでは、自動でデータをグラフ化し、長期的な傾向を見ることができるため、より効果的です。

具体的な記録方法としては、体温だけでなく、その日の体調や食事内容、運動量なども一緒に記録することをお勧めします。これにより、体温の変動と生活習慣との関連性をより明確に理解できるようになります。たとえば、特定の食品を摂取した後に体温が上昇するパターンが見られれば、その食品が体に合わない可能性があることが分かります。

このデータを活用することで、自分自身の健康管理はもちろん、医師との診察時にも具体的な情報を提供することができ、より適切な医療を受けることが可能になります。また、異常な体温変動があった場合には、早急に医療機関への相談を決断する根拠ともなり得ます。

異常な体温に気づいたときの対処法

日常的に体温を測定していると、時には通常と異なる高温や低温が記録されることがあります。これらが単発の現象であれば特に問題はありませんが、連日続く場合や他の症状（例えば、倦怠感や頭痛）が伴う場合は注意が必要です。

まず、異常な体温が確認された場合は冷静に再測定を行いましょう。単純な測定ミスである可能性も考慮して、異なる時間帯または異なる体温計を使用してみることが推奨されます。それでも高温や低温が続く場合は、速やかに医療機関へ連絡しましょう。特に高熱がある場合は脱水症状を避けるためにも、適切な水分補給を心がけてください。

また、自宅でできる対処法としては、高熱時には冷えピタや冷たいタオルでの冷却、低体温時には暖かい飲み物や湯たんぽを使用するなどの方法があります。しかし、これらはあくまで一時的な処置であり、根本的な治療ではありません。そのため、異常な体温が続く場合は専門医の診断を受けることが最も重要です。

体温の変動は多くの場合、何らかの健康問題を示唆しています。日々の体温測定データを正しく解析し、異常を感じたらすぐに専門家の意見を求めることで、より安心した生活を送ることが可能です。